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ハンポストのご紹介

セメントが食べる発酵食品

下水道汚泥のセメント資源化は処理能力、安定性に優れ、二次廃棄物が発生しない特徴があります。 しかし、水分が約80%含まれた下水道汚泥をキルンに投入した際に、蒸発潜熱として熱量が奪われるため、石炭使用量が増加するとともに生産能力が低下する課題があります。 一方、近年では、化石エネルギー資源の枯渇問題、地球温暖化対策の観点から、カーボンニュートラルで再生可能なバイオマス資源を新しいエネルギー源として活用することが求められています。 なかでも、下水道汚泥は性状の安定性に優れ、集約型バイオマスとして注目されています。

このような背景から、当社は、化石エネルギーを使わず、微生物の働きにより効率的に下水道汚泥を発酵乾燥させたバイオマス燃料「ハンポスト」を製造しています。ハンポストは、セメント製造用の熱エネルギー代替として利用され、石炭使用量減少およびCO2排出量削減に寄与しています。 本技術は、南部開発㈱と㈱トクヤマが共同で研究・開発した新しい燃料化システムであり、乾燥エネルギー源に“発酵熱”を利用することが最大の特徴です。

これからも技術改良によるシステムの最適化を図り、他地域での横展開および火力発電所ならびにバイオマス発電所への供給も検討するなど、発酵乾燥方式による下水道汚泥等燃料化システムの普及に努めてまいります。

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ハンポストの特徴

  • 下水道汚泥等を、化石エネルギーを使わず、微生物の働きにより効率的に発酵・乾燥させたバイオマス燃料
  • 発熱量約2,300kcal/kg-wetと石炭の3分の1程度を有し、火力発電所等における石炭代替燃料としても利用可能
  • カーボンニュートラルな製品のため、化石燃料由来のCO2排出量を削減することが可能
    ※地球温暖化ガス削減効果参照
  • 発酵熱により大腸菌等の雑菌は死滅するため衛生的

ハンポストの製造フロー

1.受入

下水処理場等から排出される汚泥をダンプトラックにて受入れします。

2.混合

搬入された原料に木チップ(返送木チップ)を混合し、発酵に適した状態に調整します。

3.発酵・乾燥

温度管理により通気および切返しを行い、発酵を促進します。

4.整粒

10mm篩にて整粒しアンダーを製品として出荷、オーバーを返送木チップとして再利用します。

5.出荷

ダンプトラックにてセメント会社へ搬出します。

セメント工場におけるリサイクルフロー

ハンポストは、セメント焼成炉に定量供給され、有機物は熱エネルギー代替として、
無機物はセメント原料として全量リサイクルされます。

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地球温暖化ガス削減効果

下水道汚泥等年間20,000tから約4,000tのハンポストが製造されます。
ハンポストを使用することにより、従来の下水道汚泥を直接セメント工場で処理する方法と比べ・・・
約13,000t-C02/年削減になります。

工程 項目 単位 従来方式 発酵乾燥方式
下水処理場から
ハンポスト製造
運搬量 t/年 20,000
軽油使用量 kl/年 50
電力使用量 MW/年 600
CO2排出量 t/年 550 550
運搬
(香川県~山口県)
運搬量 t/年 20,000 4,000
軽油使用量 kl/年 300 90
CO2排出量 t/年 780 230 -550
セメント製造工程 石炭増減量 t/年 4,000 -1,200 5,200
CO2排出量 t/年 10,000 -3,000 -13,000
合計 CO2排出量 t/年 10,780 -2,220 -13,000

特定悪臭物質等測定結果